会長挨拶


第23回日本脳神経血管内治療学会北海道地方会 
会長 髙田 達郎
(医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院)

 このたび、第23回NPO法人日本脳神経血管内治療学会北海道地方会の会長を務めさせていただくこととなりました。2022年10月22日、手稲渓仁会病院渓仁会ビルにて開催します。私をはじめ、当院脳疾患・脳卒中センターにとりましても大変光栄なことであり、鋭意準備をすすめているところです。
 本会のテーマは「挑戦と調和」としました。脳神経血管内治療における治療デバイスの進歩は速く、1年前には出来なかったことができるようになってしまうほど急速に発達しています。しかし、新規デバイスを有効に使いこなすには術者の技術の熟成も必要です。一方、既存の技術は安定した効果が得られるのも確かです。そして、私達治療医にも新しい技術に挑戦しつつ、既存の技術との調和が求められていると思います。脳血栓回収療法の技術は新規デバイスとしての時期を過ぎ、既に熟成された技術となっていますが、限られた治療時間は待ったなしです。この壁を突破するためには、脳卒中に関わる全ての医療者が一丸とならなければなりません。北海道では、今まで脳神経外科医が一手に引き受けていたわけですが、これからは内科医もより深く関わっていく必要があると感じており、私が会長を務める意義のひとつと思っています。本会ではこのテーマに沿った企画をいくつか準備する予定です。 
 本地方会もその他の学術集会同様、コロナウィルス感染症の感染拡大の影響により、2020年以降はWebあるいはハイブリッド開催を余儀なくされてきました。2021年末にはワクチン接種率の高まりとともにその勢いも収まりつつあるところですが、新変異株の出現に伴う再拡大も懸念される情勢であり、本学術集会開催時の状況も予測不可能となっています。このような情勢を踏まえ、本学術集会もハイブリッド開催で企画しておりますが、可能な限り現地開催のメリットを活かせるような学術集会にしたいと思っております。そのひとつとして、機器展示に併設した形での脳神経血管内治療デバイス・ハンズオンセミナーを企画しました。普段なかなかデバイスに触れることのできない看護師や放射線技師、若手医師などに実際に触れてもらえる機会を設けることを目的としており、できるだけ多くの方に経験していただければと思っています。ポストコロナ下での実り多い学術集会となることを祈念し、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

2022年1月吉日